PINK memo
数年ぶりにピンクの服を買って着ているのだけれど、よく虫がとまる。ピンクの持つ柔らかさが外の空気を溶かしていくのと同時に自分の皮膚までもふにゃふにゃ溶け出していくように感じられ、虫の挙動が拡大し身体全体を包み込みこんでいくようだ。
状態が継続していくと自分と虫が交互に入れ替わるようにもなり、生命の均衡状態が震え崩れ、微視的な触感がそのまま毛細血管の振動を誘発し骨や臓器を空の彼方へと飛翔させていく。乾いた砂漠の砂のようなさらりとした感触で自分の肉体から離れていき、ピンクの布が絡まりながら欠損を埋めていく。何か心の空洞を充填するようでもあり、懐かしい旅先の風景からこぼれてくる人の声もそんな色だったかもと思い出す。
ピンクの持つある種の漂白作用は白色のそれとは明らかに違う。何か、もっと大きな運動がループしてはじまりの状態に戻るのだけれど、いつのまにか違うことが起きていて、それも内的なものが新しい秩序を発生させては消えていくような新鮮さを持ち合わせている。
身体が外界と関わるときに、アルゴリズムの持つ単純化した抽象性ではない、いきいきとした不純な抽象性なる何かがそこにある。抽象化って多層構造だな。桜のはかない美しさと桜の木の永続的なグロテスクさ。ふわりふわりと、桜の花が散るように、特別な時間が流れていく。 (m.ochiai)

BLOG

UMI meno
友人の車に便乗して東北までいってきた。飲みの帰りに突発的にいくことになり、いい感じですな。港町に行きたかったのと、以前から見たい美術館があるのとで、気仙沼にいくことにした。
夜の海はいい。海の過剰な表層の揺らぎと、相反する内奥の深みや淀みが渾然一体となって、自身に襲いかかってくる。対象に身を委ねたいと思いつつも何か意識の反発にあう、心の振動と重なっていくようだ。反発の在処を探していると過去の記憶に突き当たり、何か痛覚を刺激する、ざらついたものばかりが浮かぶ。探しているという意識さえも無に返したいという新しい意識が生まれ、何層にも重なり、波の振幅とともにすべてを無化させたいという欲望に包まれた。心臓が体内のあらゆる組織と共振し、面としてではなく鋭い線のように皮膚を突き刺していくことで消失させていく。海の様相と同調していく結果として。 (m.ochiai)

KAMIKOCHI memo
スケールと状態を、身体に馴染ませる。
心に染み込んでくる、この感動の在処を。深く、できるだけ、深く。(m.ochiai)
++A